読書 | 土方美雄の日々これ・・・

読書

連休前後以降に、こんな本を読みました。

ル・クレジオ『歌の祭り』(岩波書店、2005年)

メキシコ先住民の神話や伝承の翻訳でも知られるフランスの作家のエッセー集。原著は1997年に刊行されている。主に先住民文化に関するエッセーが16本収録されている。

関雄二・青山和夫『岩波アメリカ大陸古代文明事典』(岩波書店、2005年)

共に気鋭の考古学者による、メソアメリカとアンデスの古代文明に関する本邦初の事典で、6600円と高額な本ながら、信頼のおける内容と豊富なカラー写真で、この分野に関心のある方には絶対のお薦め。事典ながらほぼ全頁を読んでしまいました。

森博嗣『θは遊んでくれたよ』(講談社ノベルス、2005年)

ご存じ人気絶頂の森ミステリィーの最新刊。知的でありながら、あくまでも読みやすい軽い文体。入り組んではいるが、どこか生活感がなく、生臭さとは無縁の登場人物の人間関係。そうした点が、多くの若い愛読者の心を掴んでいるのだろう。それに結構多作なのに、どの作品も一定のレベルを維持しているものすごい。二階堂黎人の『希覯人の不思議』も読みましたが、すでに言及しましたので・・。

西原理恵子『毎日かあさん2 お入学編』(毎日新聞社、2005年)

人気漫画家の自伝的子育てエッセー風漫画。著者サイン入り本をゲット。ちなみに、元夫の鴨志田穣の『日本はじっこ自滅旅』(講談社、2005年)と合わせて読むと、しみじみ感がさらに増します。

桑野淳一『タイの古寺を歩く』(連合出版、2005年)

拙著『アンコールへの長い道』『北のベトナム、南のチャンパ』で訪れたタイのクメール遺跡にも言及されていて、大変、興味深く読む。それ以外の遺跡も私の訪問したところが多く含まれていて、大いに刺激を受ける。改めて未刊のラオス・タイ・ビルマの遺跡紀行を、何としても完成させたいと思う。