ベルギー映画「Here」 | 土方美雄の日々これ・・・

ベルギー映画「Here」

ベルギーの映画である。バス・ドゥボス監督作品。もう1本、「ゴースト・トロピック」という監督作品も、観のがしたが、同時に、公開されていた。欧州では、話題の人らしい。

とりあえず、観たのは、偶然。キネカ大森に行ったら、やっていて、どういう映画か、まったく、わからなかったが、何か、面白そうという、感だけで、観た。

主人公は、2人。1人は、ルーマニア生まれの、建築労働者のシュテファン。働いていた工事現場が、長期休業となり、故郷のルーマニアに戻るか、どうか、悩んでいる。冷蔵庫の中のあり合わせの素材を使って、スープをつくるのが、趣味。

もう1人は、中国系ベルギー人のシュシュ。苔類の研究者が本職だが、中国レストランで、働いている。

そんな2人が、偶然、出会って、シュシュの苔採取に、シュテファンがつき合う内に、親密度を深めていく。ただ、それだけの映画である。とにかく、苔採取のため、分け入った森の中の映像が、限りなく、美しい。

もう1本の「ゴースト・トロピック」は、未見だが、ブリッセルで働く、掃除婦が、終電だか、終バスだかに乗り遅れ、家に帰宅するまでの出来事を、描いているらしい。

要は、ベルギーで働く移民を主人公にした、物語をつくる人なのか???「Here」と「ゴースト・トロピック」の2本を合わせた、パンフレットもつくられていたみたいだが、生憎、売れ切れとのこと。で、どういう監督なのか、結局のところ、よく、わからない。わからないが、「Here」は、なかなか、独特の、味わいのある映画だった。

 

追記 その後、監督へのインタビュー記事を、ネットで探して、読んだ。やはり、ベルギーの移民社会をテーマに、考え方の相違を乗り越えて、人々が共生していける社会を・・という、監督の基本的なスタンスが、それからも、確認出来た。また、「ゴースト・トロピック」は、まだ、一部の劇場では、上映されているようだ。