恥多き人生 | 土方美雄の日々これ・・・

恥多き人生

ひとつ前のブログのタイトルは、「うたたか」ではなく、当然のことながら、「うたかた」です。気づかずに、半日ずっと、放置していた。恥ずかしい。

それから、「さよならだけが、人生だ」は、これは私が書いた通り、井伏鱒二が正解。太宰治ではないのです。以前、天野恵一さんという人と、太宰か、井伏かで、くだらない、大論争。私が、勝ちました。そう、いかにも、太宰がいいそうなフレーズだけれども、井伏鱒二なのです。私は、若いころ、太宰治の大ファンで、そのすべての作品を、読破しているので、「さよならだけが、人生だ」なんて、太宰が書いていないことは、百も承知。でも、天野さんは、絶対、太宰だと言い張るので、何かを賭けたのです。何を賭けたのかは、もう、忘れたけれども、きっと、下らないものだ(笑)。

実をいうと、昔、父の本棚にあった、文学全集で、井伏鱒二と太宰治の巻があり、それに井伏の作品として、載っていたのです。井伏鱒二なんて、ほぼ読んだことないので、そうでなければ、それが、井伏が書いた詩のフレーズだなんてことは、わからなかった。井伏と太宰、全然、作風は違うけれども、実は、師弟関係なのですね。もちろん、井伏が「師」。

こう見えても、私は昔は、「文学青年」だった。小説も、詩も書いたし、新日本文学会の主催する日本文学学校にも、在籍していたことがある。でも、小説は、活字になったのは、たった2本だけだし、全然、ものにならなかった。兎にも角にも、ライターにはなったが、所詮、雑文書き。

最初の仕事は、とある雑誌での、覆面座談会の記事。実は、座談会など、やっておらず、すべて、私がでっち上げた。何でも、チャチャっと書くので、重宝がられた。頼まれて、ゴースト・ライターもした。恥多き人生である。