土方美雄の日々これ・・・ -790ページ目

スターウォーズ エピソード3を観る

週末はアメブロが工事中だったため、ブログを更新出来ず。週末は、仕事と私用に忙殺され、ゆっくり休む暇もなかったが、それでも土曜の午後9時からの『スターウォーズ エピソード3』の先行ロードショウには、何とか行ってきた。主人公が愛する妻を救うためとはいえ、フォースのダークサイドに落ちてダースベーターになってしまうという結末は、最初から決まっていたことで、しかもアミダラ姫もエピソード4以降の主人公ルークとレイアを産んで死ぬという悲劇的な結末の中で、何とか未来への希望の炎をともすようなラストシーンにしようというジョージ・ルーカスの腐心のほどが伺える作品だった。特撮はさすがというか、見事だし、エピソード4への橋渡しもうまくついていると思うが、いかんせん、スカッと明るく楽しい仕上がりにはなるはずもない。

この『エピソード3』と『バットマン・ビギンズ』『宇宙戦争』の3本を取り上げて、ハリウッド映画の変貌ととらえる評論家もいたが、それは少しうがった見方と思う。ハリウッド映画の「凋落」は確かに事実にせよ、それは今に始まったことではないし、少なくとも『バットマン・ビギンズ』はコミックでの最近の潮流に忠実に沿ったものといえる。ちゃんと、ある程度原作のコミックにも目を通した上で、批評していただきたいものだ。


「マスグレイヴ館の島」を読了

ここ数日、オフィスへの行き帰りの電車の中で、断続的に読んでいた、柄刀一の『マスグレイヴ館の島』(光文社文庫)を読了した。奇想に満ちた魅力的な謎の提示と、合理的な解決という「本格ミステリィー」の王道を行く作品だが、あくまで軽くスラスラ読める上に、天才肌のクリスチアーネ・サガン、小生意気ながら健気なところもある聡明な少女ルシィ・マカリスター、そして、物語の語り手でもある「時を止める女」一条寺慶子という三人の女探偵も、実に魅力的にに書かれている。「3000年の密室」「4000年のアリバイ回廊」といったこれまで読んだ彼の作品に比べて、格段の出来映えで、最後のだじゃれみたいな「落ち」はともかく、大いに感心した。アクロバットのようなトリックも、見事に決まっている。お薦めです。


靖国モンダイ

ちくま新書の一冊として出た高橋哲哉さんの『靖国問題』が、ベストセラーになっている。確かに内外からの批判をよそに、あくまで靖国神社への参拝にこだわり続ける小泉首相の「意固地」は、ついには面子をつぶされた格好の中国や韓国政府等との、根深い外交問題にまで発展しつつあり、この機会に靖国問題について、少しまとまった知識を・・と考えている人にとって、この本はボリューム的に格好なテキストだと思うし、内容的にも共感するところが多い。東大大学院教授であり、哲学者である高橋さんとは、私も何度かお会いしたことがあるが、少しも権威ぶることのないその人柄には、とても好感が持てた。

この分野ではすでに、岩波新書から古典的名著といっていい宗教学者の故村上重良さんの『慰霊と招魂』や、歴史学者の大江志乃夫さんの『靖国神社』、ジャーナリストの田中伸尚さんの『靖国の戦後史』などの労作が出版されているが、刊行がタイムリーだったこともあって、高橋さんの本が多くの読者を獲得することになった。この本を読んだ人が、さらにそうした先達の労作にも、出来れば引き続き目を通していただきたいと、私としては切望している。

ところで、実は私が、1985年に初めて出した本も『靖国神社』(社会評論社)だった。初版はたったの2000部で、その後、重版されたが、たったの500部だった。たいして売れもせず、また、今読むとその若書き故に赤面する内容も多々あるが、私にとってはやはり、「物書き」としての出発点でもある。もう書店の店頭に並ぶこともなく、たまに古本屋で200円くらいで売られているのを見るだけだが、状況はその時と比べて一段と悪い方向へ向かいつつある。歴史に学ぼうとしない指導者を持つこの国の行く末に暗澹たる思いにかられる昨今だ。

宇宙戦争は面白いか・・

今日はスピルバーグの『宇宙戦争』の公開日。今日の私の仕事は東京○○センターで開催されている、とある企業の展示会を取材することだけだったので、その取材を速攻ですませて、○○センターの近くにあるシネコンへGO!いくら初日だといっても、さすがに平日の昼間に映画を観に行くもの好きはあまりおらず、場内は閑散としています。

さてその『宇宙戦争』の出来ですが、結論からいうと、予想通りの出来。確かにお金はかけているし、特撮は見事だし、加えてスピルバーグの手慣れた演出で一気にみせるが、サプライズがまったくない。つまり、想像通りの宇宙人の戦闘兵器と宇宙人が登場して、圧倒的に強いが、「ある理由」でいわば自滅的に滅びて、一件落着となる。ダコタ・ファニングちゃんの存在感はさすがだが、トム・クルーズはこれまた予想通りの、まじめ一方の存在感のない演技で、完全に子役の足を引っ張っちゃってます。てんで頼りのない父親が苦難を乗り越えて必至で子供を守り抜き、親子愛が復活するという「感動作」にならない前に、宇宙人の方が勝手にずっこけちゃってくれるので、何の感動も余韻も残さないラスト・シーン。えっ、終わりなの??って感じで、劇場を出る。これではかの『エピソード3』との「宇宙戦争」で、負けるのは必至か・・。

田口ランディさんにとってのメヒコ

私は田口ランディの書く『コンセント』や『アンテナ』といった小説世界にまったく共感出来ないので、その著作を読むことも購入することもほとんどないが、最近出たAKIRA(美術家)との共著『オラ!メヒコ』(角川文庫)だけは、テーマがテーマなので、買って読んだ。メキシコ・シティーからウアウトラを経てオアハカに至るメキシコ旅行記であるが、ウアウトラでのマジックマッシュルーム体験をメインにした、メキシコは精霊たちの息づく国・・みたいな、いかにも彼女好みの内容で、やはり、彼女の小説同様、共感出来るところは少なかった。

などと書くと、ホラーが好きなのに何故?といわれるかもしれないが、ホラー好きと、オカルト志向とはまった次元が異なる話である。私はオカルト的なことをまったく信じていないし、「霊感」などとも無縁の人なので、だからこそ、ホラー小説や映画を刺激的なフィクションとして、大いに楽しめるのである。信じていたら、やっぱ、読んだり観たりするのは怖いよねぇ。

やっぱり、老化現象!!!

昨日のブログで、ぬけぬけと「宇宙戦争」の話を書いたが、実は日曜は吉祥寺の「のまど」で上野清士さんの講演会だったことに、今日になって気づく。金安さんがあんなに何度も、「メキシコ学勉強会」だったか、「中南米マガジン」だったかのメーリングリストに、来て下さいと書いていたのに、それを忘れた。そのスケジュールを電子手帳に入力し忘れていたことが主因だが、それにしても・・・。電子手帳をもう一度、点検したら、恐ろしいことに、私が運営委員をしている7月10日の「日本ラテンアメリカ協力ネットワーク(RECOM)」の総会のスケジュールも、入力し忘れていた。あぶない、あぶない。というわけで、もともと行く気がなかったわけではなく、だから忘れたことにしたわけでもなく、ほ、本当に忘れていたのです。すみません。

今日、昼頃、東京の八重洲地下街を通ったら、「サイアム・オーキッド」というタイ料理店が開店していたので、そこで昼食をとる。地下街の小さな店だが、場所柄か、価格はかなり高めの設定。味はまずくはないが、とびきり美味いというわけでもないといったレベル。でも店内は若いOLで、結構、賑わっていた。


老化現象???

朝起きて、何となくパソコンに向かいつつ、ブログを更新したり、メールの返事を書いたりしていたら、ふと、来月の下旬くらいまでに書かなければならない原稿があって、そろそろ、その準備を始めなければならないことを思い出し、憂鬱になる。その原稿は私が編集委員をしているミニコミ誌用の原稿で、つまり、お金にならない原稿なのだが、憂鬱になったのはそれがお金にならない原稿だからではなく、あるテーマの本を少なくとも30冊くらいはピックアップして紹介しなければならないというものだからだ。枚数は400字詰原稿用紙換算で10枚程度なので、どうっていうことのない量なのだが、とにかく、そのテーマで書かれた膨大な量の文献の中から30点あまりを厳選してリストアップすることの大変さに加え、一応、書名をあげるだけではなく、それぞれの本に最低、ザッと目を通す必要があるからだ。本は自分で持っているものも多いが、部屋を埋め尽くす本の山の中に埋もれていて、探し出すのにやたら時間がかかりそうだし、もちろん、手元にない本も多いので、それらは図書館等で現物にあたる必要もある。つまり、やたら手間のかかる原稿なのだ。

そのことを考えていたら、頭が痛くなってきたので、まぁ、今日はせっかくの休日だし、明日から準備をし始めればいいか・・と安易な結論を出して、スピルバーグの『宇宙戦争』でも観ようと、家を出る。

しかし、映画館に行って、ハッと気づいた現実。『宇宙戦争』の公開は29日(水)からで、今日は日曜日。映画の公開は土曜が普通なのに、ずいぶんと半端な日に公開するんだなぁと、ずいぶん前にそう思っていたのだが、それをすっかり忘れていたのだ。他に観たい映画もなく、というか、観たい映画はもうすべて観てしまったので、そのまま、回れ右をして、すごすごと家に帰る。

新宿ゴールデン街で・・

昨日は、新宿ゴールデン街に新しく出来た「新宿ゴールデン街劇場」で開催された山崎ハコのコンサートに行く。ゴールデン街劇場は小さな飲み屋の集まる長屋みたいなゴールデン街の空き屋になったところを改装して出来た、とても小さな劇場で、席数はたった41席しかない。今回のライブは最近のライブであまりやらない曲がその演奏曲目の大半で、とても懐かしく、かつ新鮮なライブだった。開演1、2分間前にギリギリで飛び込んだのに、どうにか座ってライブを聴くことも出来た。ライブの後、ゴールデン街の別の店でハコさんを囲んでの打ち上げも行われたが、私は連れがいたので、参加せずに帰宅。

ゴールデン街は私にとって懐かしい場所だが、サワー等を一杯飲むのがやっとという、酒飲みではない私にとって、遠い場所でもある。大昔によく行ったのは、ここで酒を飲む仲間が結構いたからであって、酒を飲まない私が今行くのは、どーしても食事中心の店になる。

土曜の夜ということもあって、深夜の新宿は人でごった返して、どこの店も満員御礼という感じ。そんな街にあって、人通りのほとんどないゴールデン街は、やはり時の流れに取り残されている。

日々の仕事

フリーランスのライターといっても、千差万別。本当に原稿書きだけで生活している人もたくさんいるだろうが、私の場合、収入源のメインは業界紙の仕事。この業界紙はタブロイド判で、通常号は12頁。月に3回出て、私はその編集を引き受けているのだが、取材記者は2人しかいないので、私自身も取材をして、記事を書く。広告は関西在住のオーナーがとって、印刷した新聞の発送は代行業者に委託しているので、当方の仕事は毎号の企画を立て、それに基づき取材して記事を書き、それを割り付けて校正するところまでだ。

他のライターとしての仕事は、その合間にすることになる。私も50代半ばで体力的にももうあまり無理はできないので、最近は積極的に売り込んで仕事をとるということはほとんどなく、たまにある依頼原稿のみを引き受けているというのが、実情だ。それでも毎月、ミニコミ誌などに結構原稿を書いているが、こちらは原稿料なしの仕事で、いわば「ボランティア」。

もちろん、そうでない人もいるが、フリーランスのライターは「フリーター」と同意語。年齢、性別、国籍、学歴等々の区別なく、誰にでもなることは出来るが、原稿料のみで生活することは結構大変だし、また、原稿料のみで生活しようとすれば、どんな安い仕事でも、あるいは自分の意に染まぬ仕事でも、結局のところ、引き受けざるを得なくなる。それでいて、今月あった仕事が、必ずしも来月あるとは限らない。つまり、ちっとも「フリー」ではないし、失業者予備軍でもあるんです。フリーランスのライターというと「格好いい」との反応も返ってくるので、あえてその実情を記しました。それでもあなたは、フリーランスのライターになりますか?

やっぱりひどかった、スピーシーズ3

今日は月3回ある業界紙の降版の日。午後の早い時間に終了したので、昨日は行けなかった『スピーシーズ3』を観に、「新宿ピカデリー4」へ行く。

この「新宿ピカデリー4」は、知る人ぞ知る、中規模以上の劇場で公開しても絶対お客が入らないようなBC級作品を、ビデオにする前にアリバイ的?に上映する映画館で、一応、その名こそ「ピカデリー」だが、まともなロードショー劇場である「ピカデリー1」や、その地下にある中規模の2や3のある建物の、いわば開き空間を利用してつくられた、わずか44席のみのミニシアターで、そのスクリーンたるや、実にご家庭のホームシアター並の小ささ。あまりにも貧弱な施設に怒り出す客も多いと見えて、「当館は極めて小さく、そのスクリーンはたて○○メートル、横○○メートルしかありません」というお断りの看板があちこちに出ているという、超マイナーな映画館なのだ。しかも、その出入り口は大通りに面したピカデリー1~3の出入り口側ではなく、その真裏にあるという、最初からお客が入ることを拒絶しているような劇場なのである。

もちろん、件の『スピーシーズ3』は、悲しいほど想像通りの出来で、まぁ、よほどのひま人か、お金をどぶに捨てたくてしかたがない人、ひどい出来の映画を観て、こんなにひどかったよと、人に自慢したい向き以外に、観る必要はありません。そのポスターのキャッチコピーは何と「世界初公開」でしたが、まぁ、上映する劇場がどこにもなかったんだろうな、この「新宿ピカデリー4」と銀座の「シネパトス」以外には・・。